大腸ポリープ

大腸ポリープは、 大腸癌とともにわが国で大幅に急増している病気です。 「大腸ポリープ」はほとんどが「腫瘍性」で、癌に進行する可能性があります。


■「大腸ポリープ」とは?

「大腸ポリープ」とは、大腸の粘膜細胞が増殖して、イボのような突出物(ポリープ)ができる病気で、 高齢化と検査の進歩に伴って、近年、発見される頻度が非常に高まっています。 「大腸ポリープ」のほとんどは無症状です。 ただ、S状結腸や直腸にできたポリープが直径10mm以上に成長すると便とこすれて出血し、「血便」が現れることがあります。

大腸ポリープは、大腸癌とともにわが国で大幅に急増している病気です。 胃ポリープのほとんどが「非腫瘍性」で、癌になることはほとんどないのに対し、 大腸ポリープはほとんどが「腫瘍性」で、癌に進行する可能性があり、 大腸癌の大半は、良性ポリープが変化したものといわれています。 また、大腸ポリープの一部に癌が含まれている場合もあります。

大腸ポリープは加齢によってできやすくなります。 40歳代から増え始め、60歳以上の人では、30%近い人に大腸ポリープが見つかります。


■大腸ポリープの原因

大腸ポリープの原因としては、食生活の欧米化が関係し、肉食の影響が最も強いと考えられています。 肉を食べると、脂肪を吸収するために胆汁酸が大量に出て大腸へ流れ込み、腸内の細菌叢のバランスが崩れます。 それによって、胆汁酸が有害なものに変わり、これが発癌物質として作用するのではないかと考えられています。 また、肉以外にも、アルコール、特にビールとの関係も深いと考えられています。 これらの飲食物に含まれる何らかの有害物質によって、遺伝子が傷つくことで細胞が変化し、 ポリープの発生や、その癌化が起きると考えられています。


■大腸ポリープの診断と治療

内視鏡検査で組織を少量採取し、顕微鏡で調べる病理検査を行います。 病理検査を行うのは、癌との鑑別診断のためです。 大腸ポリープは、タイプによっては、大きくなると、癌化する危険性があります。 直径5~10mmの大腸ポリープの約6%に、癌が隠れているとのデータもあります。 そのため、直径5mm以上ある大腸ポリープは切除した方がよいといわれ、通常は、直径10mm以上のものは必ず切除します。 ポリープ切除は、内視鏡で行われます。 肛門から内視鏡を入れて、ポリープの根元にワイヤーをかけて、焼き切ります。