糖質制限⑦『腸が喜ぶ食品』
乳酸菌が増えると、日和見菌が味方して腸内細菌のバランスがよくなり、アレルギー性疾患も改善。
■腸が喜ぶ食品
乳酸菌は腸管の免疫細胞を刺激して免疫力を高める
善玉菌の代表は、ビフィズス菌をはじめとする乳酸菌群です。乳酸菌群は腸内を酸性に保ちます。
病原菌の多くは酸性の場所では生きられません。乳酸菌は腸内を酸性に保つことによって。
外部から侵入する病原菌を排除します。
また、乳酸菌には免疫力を高める作用があります。乳酸菌の細胞壁には、強力な免疫増殖因子があり、
それが全身の7割を占める腸管の免疫細胞を刺激します。
一方、悪玉菌の代表は大腸菌です。しかし「悪玉」と名付けられていますが、人体に不要なものではありません。
例えば、大腸菌はO-157菌などの有害菌が侵入してきたとき、それをいち早く排除しようとする番兵のような仕事をします。
また、人間は野菜のセルロース(不溶性の食物繊維)を持っていません。セルロースを分解しているのは大腸菌なのです。
さらに大腸菌にはセルロースの分解過程で、ビタミンを合成する働きもあります。
しかし一方で、悪玉菌はたんぱく質を分解し、アンモニアや硫化物、アミンなどの有害物質を作り出す働きもあります。
それらの物質は腸を老化させ、臓器を傷つけて、病気の原因にもなります。
そのため、悪玉菌は多すぎない方がよいのです。
●善玉菌だけを取り入れても子供の免疫は発達しない
日和見菌は、善玉菌が多くなるとそちらに味方し、悪玉菌が増えるとそちらに味方します。
日和見菌の多くは土壌菌で、土についている菌です。パンダは生まれたら、赤ちゃんのウンチや土をなめます。
笹を消化する酵素をパンダは持っていないので、それを消化する土壌菌を取り入れる必要があるのです。
人間の子供も、乳児のときに土壌菌をなめる必要があります。ビフィズス菌などの善玉菌だけを取り入れても、
免疫が発達しないからです。近年、患者数を大きく増やしているアトピー性皮膚炎や喘息、花粉症などのアレルギー疾患は
免疫のバランスが崩れたことが原因です。それによって免疫が誤作動を起こし、本来は体に害のない異物に対して反応し、
炎症を起こしてしまうのです。特に現代のように清潔志向が行き過ぎると、土壌菌に触れる機会が無くなります。
近年、アレルギー疾患が急増している原因の1つだと考えられます。
納豆菌も土壌菌の一つです。私は納豆をキムチと一緒に食べることが多いのですが、キムチには乳酸菌が含まれていますし、
納豆は乳酸菌の見方をする土壌菌です。キムチと納豆の組み合わせは、腸が喜ぶ食べ方の1つです。